干物女に贈る言葉
- #01
-
蛍:
「男というものは……誰にでもキスするもんですか?」
高野部長:
「…男というものは、誰にでもキスするものではない。キスは惚れている女にするものだ。」
- #02
-
山田姐さん:
「(気になる彼からのメールには)疑問形で返すのよ」
「問いかけのメールを返して、再び返事が来るように仕向けるの!」
「何も考えずに速攻返信するのは女として問題外!」
- #03
-
優華:
「自分の気持ちにウソをついた時点で、恋愛は負けたも同然なんです」
- #04
-
蛍:
「私はあきらめない。ここであきらめると、この先もずっとあきらめちゃう気がするから」
「ひと仕事終えて、うまいビールを飲みたいの!!」
- #05
-
高野部長:
「久しぶりに人を好きになることが出来た自分を、いとおしいと思いなさい」
「思いは言葉にしないと、伝わらないよ」
- #06
-
山田姐さん:
「恋の悩みに正解はないのよ?あるとすれば自分の出した答え。それが自分にとっての正解よ!」
「悩むってことは、その恋を大切にしようって思ってるってことよ?」
- #07
-
蛍:
「本当に好きなら、乗り越えられるんじゃないかな」
「本当に好きなら、この世に乗り越えられないものはないと、私は思うのです!」
- #08
-
高野部長:
「君は、ジャージでビール片手に寝転がっている自分を見せるのが怖いんじゃない。好きな相手と深く向き合うことが怖いんだ。怖いから面倒だと思ってしまう」
「人と人とが付き合うってことはな、もともと面倒くさいものなんだよ」
- #09
-
高野部長:
「…借りたものは、期日に、きちんと返しなさい」
- #10
-
蛍:
「自分の人生だから、自分で決めて、来ました!」
キャスト
・雨宮蛍(24)……綾瀬はるか
・三枝優華(26)……国仲涼子
・手嶋マコト(23)……加藤和樹
・神宮司要(30)……武田真治
・山田早智子(29)……板谷由夏
・二ツ木昭司(37)……安田顕
・曽野美奈子(25)……浅見れいな
・沢木瞬(25)……渡部豪太
・田所潤平(24)……渋江譲二
・室田鈴子(23)……松本まりか
・香住初子(22)……松下さら
・豪徳寺賢(31)……丸山智己
・山口隆俊(33)……松永博史
・高野誠一(37)……藤木直人
……
- 第1話
- 恋愛するより家で寝てたい…干物女が恋をした!?
- 第2話
- 恋をするのも命がけ干物女とラブメール
- 第3話
- 干物女に恋は無理!? 失恋ドジョウ掬い
- 第4話
- 干物女、恋も仕事もいっぺんにはムリ!?
- 第5話
- 干物女遂に告白! 恋の神様が降りてきた
- 第6話
- 干物女のキス…大切な恋に最大のピンチ
- 第7話
- 腹肉が怖い!! 干物女お泊りデート
- 第8話
- 干物女ついにカミングアウト…その時彼は
- 第9話
- 明日はどっちだ!? 干物まさかの三角関係
- 最終話
- 家で寝てても恋愛できる!? 最強干物女の恋の結末…
ストーリー
ホタルノヒカリ 第1話
雨宮蛍(ホタル)は、大手建設会社のインテリア事業部に勤める24歳のOL。会社では、テキパキ仕事をするフツーのOL。でも、ひとたび家に帰れば、「恋愛するより家で寝ていたい」と、ジャージにチョンマゲ姿のぐうたらな女に変貌する。
そんなホタルのお気に入りの借家に、上司の高野誠一(高野)が引っ越してくる。じつはここは高野の実家で、妻と別居し一人暮らしをするため、戻ってきたのだ。それでもぐうたらな暮らしぶりを押し通すホタル。内心、「違うだろ!」とつぶやく高野だが、二人はそのまま同居状態に……。
一方、会社では、ロンドン留学を終えて配属された才能ある若きイケメンデザイナー・手嶋マコト(マコト)に女性社員の視線が集まっていた。そのマコトに、ホタルはカフェのオープニングパーティー前日、突然キスされてしまう。
以来、戸惑いながらもマコトのことが頭から離れないホタル。「男は、誰にでもキスするものではない。キスは、惚れている女にするもの」という高野の言葉に有頂天になったのもつかの間、マコトが「ステキ女子」の先輩・三枝優華(優華)を飲みに誘ったことや、押しの強い先輩・山田早智子(山田姐さん)がマコトを誘惑しようと狙っていることを知ってしまう。
心ここにあらずのまま帰宅するホタル。高野に散らかり放題の部屋に嫌味を言われるも、「これがフツー」と力なく言い返すのみ。「フツーなわけないだろう」と、まだ20代なのに、デートもせず、ビールを飲んでアタリメ食べて、ボヤッとしている生活を非難する高野に、ホタルは「これがありのままの私」と啖呵(たんか)を切り、家から絶対に出て行かないことを宣言する。
そこに優華からの呼び出しが。ぐうたら姿で駆けつけたホタルだが、優華はマコトと待ち合わせているところだった。その優華に、「マコトくんのことが好き」「恋愛は自分を輝かせる」と打ち明けられ、恋する女の子の姿を見せつけられる。マコトの好きな人が自分らしいと思い当たりながらも、穴の開いたジャージ姿の自分をマコトに見られまいと、あわてて逃げ出す。
ひとりぼっちで帰宅したホタル。そこへ高野は、二人で一緒に暮らそうと申し入れる。ホタルの生活スタイルや格好は、これっぽっちも潤いが感じられない。女として終わっているカラカラに乾いた干物女なら、一緒に暮らすことには何の問題もない。こう言われたホタルは、微笑むマコトやキスしたマコトを思い浮かべ、「干物だって恋をするんです!」と絶叫するのだった。
ホタルノヒカリ 第2話
「君はすでに枯れている。君は干物女だ」
そう高野部長に言われてしまった干物女の蛍。その言葉を振り払うようにますます仕事に熱中する。
そんな中、マコトが近所の小さなパン屋『朝倉屋』のリノベーションを提案する。しかし、短期間で低予算の案件。部長や要が渋る中、「あの店のリノベーションは、私たちインテリア事業部としてやる価値がある。手島さんなら大丈夫です」と思わず言い切る蛍。そしてその一言がきっかけで『朝倉屋』リノベーションは実行されることになった。するとその直後、蛍の携帯に思いもよらないメールが。「ありがとう……」なんとマコトからのメールだった。しかし仕事モードの蛍は何も考えずに速攻で「了解」と返信してしまうのだった。
山田姐さんの「恋愛系メールのノウハウ」講座を聞き、後になって自分の色気のないメールに後悔する蛍。一方、先日マコトに恋愛相談をされた優華はマコトへの気持ちは諦めきれないものの、応援するとマコトに告げる。
マコトは自分で提案した『朝倉屋』のリノベーションのデザイン作業に煮詰まり連日部長にダメだしされる日々。
そんなマコトのために、徹夜資料を作る蛍だったが、メールひとつまともに送れないのに、資料を渡すことなどできないと部長に嘆くのだった……。
部長のアドバイスで、なんとかメールで資料を作ったことをマコトに伝える蛍。そんな中、大型の台風が接近、さらにマコトが資料を取りにくる、と蛍と部長の住む自宅に接近!!
激しい風雨の中、 絶対ヒミツの同居生活と干物女の姿がバレては大変と、部長と蛍は台風以上にバタバタし始めるのだが、部長の機転でなんとか同居はばれずにすみ、マコトのデザインも無事に完成する。
嵐も去って、全てが落ち着いたように見えた夜、マコトが完成させたデザインに素直に喜ぶ優華に、「その恋を応援する」と宣言する要。
その頃、蛍は思い切ってマコトにメールを送っていた。
「あなたに逢いたいです……」
送ってしまった後、自分の大胆なメールに激しく動揺し「送ったメールを取り戻す方法を知りませんか!?」と部長に泣きつく蛍。
その時、蛍の携帯電話にメールの着信が……!
ホタルノヒカリ 第3話
積極的な内容のメールを思わずマコトに送ってしまって後悔するホタルが、要から飲み会の幹事をやって欲しいと頼まれた。要と山田姐さんの話によると、今回の飲み会の目的は、インテリア事業部内でゴールデンカップルを誕生させるため。説明を受けたホタルは、何のためらいもなくこの役を引き受けた。盛り上がる男子社員たちの一番人気は、“ステキ女子”の筆頭の優華。逆に女性陣の人気は、やはりマコトに集中。
そんな中、マコトがデザインしたリノベーションプランが完成し、『朝倉屋』側のOKも出た。そのデザインの素晴らしさに、ホタルはうまく言葉にすることができない。
飲み会を盛り上げるため、要と一緒にドジョウ掬(すく)いをすることになったホタルは、帰宅後、野暮ったい格好で稽古を始めた。これを見た高野は、ホタルに飲み会そのものに参加しないようアドバイスする。実は、高野は、今回の飲み会が、マコトと優華をくっつけるための作戦だということを耳にしていたのだ。そうとは知らぬホタルは、ドジョウ掬いの稽古に必死。
まもなく、美奈子(浅見れいな)や瞬(渡部豪太)から、飲み会の真の目的を聞き、ホタルと優華はびっくり、しかし優華はマコトには他に好きな人がいることを明かし、人のお膳立てで自分の恋を成就させたくはない、と自分は裏方に回ってドジョウ掬いをやると言い出した。自分は人の手を借りずに自然とマコトの心の中に入って行きたい、という優華の健気な想いを聞いたホタルは、そんな優華に心を打たれて……。
ホタルノヒカリ 第4話
入手困難な「東京デザインアワード」のペアチケットを二ツ木から受け取るマコトの姿を目撃したホタルは自分を誘って欲しいと強く願う。するとその時、美奈子から「彼氏いるよね?」との質問が。言葉を濁しているホタルだったが、その様子を見ていたマコトに誤解されてしまう。
そんな折、「シネコン内にあるデッドスペース」のプランについて、要とマコト、ホタルと優華の2チームが高野より選出され、社内コンペが行われることになった。
「東京デザインアワード」に誘われるのを期待したホタルだったが、その気配は全くなし。仕方なく家に帰ると、高野が手打ちうどんセットを用意していた。「料理ができれば自信がついてマコトをデートに誘えるかも」と言う高野の指導でうどん打ちにチャレンジするホタル。「初めてにしては上出来」と高野から褒められるが、自信をつけたホタルは「マコトをデートに誘うのは、今回の仕事を終えてから」と宣言する。その頃、マコトは優華を「東京デザインアワード」に誘っていた。
「シネコン内デッドスペース」のプランとしてホタルが提案したのは「図書館みたいなカフェ」。優華も賛成し準備を進めるが、プレゼンの日程が早まり、間に合わないことを理由にプランは却下されそうになる。あきらめる優華に、ホタルは「ひとりでもやる」と帰らない。優華もホタルの熱意に動かされ、徹夜で頑張った甲斐あり、ふたりのプランが見事採用されることになった。
一生懸命仕事に打ちこみ、優華に「ひとりじゃできなかった、ありがとう」と感謝するホタル。そんなホタルの姿に、優華は「本当に好きな人を誘ってください」とマコトにチケットを返す。マコトはようやくホタルを誘う。嬉しさのあまりガッツポーズするホタル。一方、別れた妻と再会することになった高野は、ホタルと一緒に部屋の畳を転げ回り、喜びを分かち合うのだった。
ところが、デート当日。ホタルは山田姐さんから急な仕事を頼まれる。猛ダッシュで仕事を終えたホタルだが、うっかりデートを忘れ帰宅してしまう。高野にデートだったことを指摘され、待ち合わせ場所に走るも、マコトはすでにいない。愕然として家に戻ったホタル。すると、マコトから「好きでした。さようなら」という電話が。呆然と冷蔵庫を開けると、そこには「祝初デート」という高野の貼り紙とビールが。ホタルはそのビールと涙を、グビッと飲むのだった。
ホタルノヒカリ 第5話
「好きでした。さようなら」――マコトの言葉にショックを受けるホタル。高野に「何かあったのか?」聞かれても、「私が恋なんて、するわけない。手嶋さんはただの同僚」と強がる。ホタルが去った後、高野はホタルのメモを見つける。『デート遅刻→彼から電話→“雨宮さんのこと、好きでした”→さよなら』。メモを見ながら何かを考える高野。
翌日、マコトの前でぎこちない態度をとるホタル。そんなホタルの様子を見た高野は、ふたりを会議室に呼び出し、閉じ込めてしまった。ふたりきりの会議室で、さらに気まずい思いをするホタル。高野を責めるホタルは、逆に「まだ手嶋が好きなのか」と突っ込まれてしまう。
そんな折、山田姐さんから、取引先の結婚式に代理で出席してほしい、と連絡が。披露宴に出席したホタルは、「思いは言葉にしないと伝わらない」という高野のスピーチを聞いて、自分のことを振り返る。
二次会に向かうと、山田姐さんとマコトの姿があった。そこに山田姐さんを追ってきた男が現れ、修羅場に突入。二次会からの帰り道、「うまくいかないから恋愛は面白いのよねえ」という山田姐さんの言葉に、ホタルとマコトは「よくわかんないよね」と言葉を交わす。マコトと別れたあと、「フツーに会話ができた」とホタルは喜ぶ。
一方、高野は、二ツ木から別居中の妻が他の男と暮らしていることを知らされる。失意のうちに帰宅すると、ホタルが嬉々として、マコトと普通の会話ができたことを報告。高野にメモのことを指摘されるが、「うまくいかない恋愛で悩むより、友達関係を目指す」と宣言する。
翌日、ホタルは、マコトと不自然に話す姿を高野にまた見られてしまう。そして高野はふたたび、ホタルをマコトのいる会議室に閉じこめてしまうのだった。帰宅したホタルは、高野を洗面所に閉じ込め返す。そこへ、仕事のトラブル発生の報(しら)せが。ホタルは、高野をそのままにして、急遽作業現場に向かった。現場では、先にトラブル解消にあたっていたマコトがいた。ホタルは同僚たちとともにマコトを手伝い無事に解決。マコトと手をパチンッと叩き合って喜びを分かち合う。仕事を終え、ホタルはマコトたちが公園で遊ぶ姿を見ていたが、一人帰って行く。
家に着いたとたん、ホタルは閉じこめていた高野のことを思い出す。何時間も閉じ込められたと怒る高野に事情を説明し、そして、「やっぱりマコトとは友だち関係の方がいい」と、ちょっと寂しそうに付け加えるホタル。
翌朝、高野は妻に「離婚届に判を押す」と電話する。一方、ホタルはまたもや会議室にマコトと閉じこめられていた。「うまくいく友達関係より、うまくいかない恋愛に挑むチャンスだろ」と、携帯電話で後押しする高野。そして、「妻と別居したくないという思いを打ち明けられず、後悔している」「思いは言葉にしないと伝わらない」と聞かされ、ついに「好きです」とマコトに告白したのだった。
帰宅したホタルは、高野にマコトへ愛の告白をしたことを報告、感極まって泣きながら抱きつく。「これで私もステキ女子の仲間入り」と調子づくホタルを高野が制し、「干物女を卒業したら、この家を出て行ってもらう」と告げる。「干物女を卒業し、巣立ってみせます!」と意気込むホタルにマコトからメールの着信が……。
ホタルノヒカリ 第6話
ホタルの部屋に入りこんだ猫を捕まえようと高野がうろつく中で、マコトからの電話を受けるホタル。電話から聞こえる物音に「誰かと一緒に住んでいるのでは?」とマコトに疑われながらも、ホタルはマコトと夏休みのデートの約束をする。大喜びしながら、そのことを高野に報告しながらも、高野と深雪のことを心配するホタル。そんなホタルに高野は、離婚することを決めたと言うことができない。
翌日、夏休み前で浮き立つ会社。マコトはうっかりホタルと夏休みを過ごすことをみんなの前で言ってしまう。マコトに恋する優華は、ホタルに「ひと夏の恋で終わらないよう、頑張って下さいね」とチクリ。
ホタル達が去ったあと、要とマコトが話している場に居合わせた高野は、帰宅後、ホタルにそのことを報告。なんと、マコトはホタルを「ステキな大人の女性」と思っているという。喜びのあまり天に向かって「ありがとうございます!!」と叫ぶホタル。そんなホタルに高野は、社内でホタルとマコトのことが公になった以上、自分との同居がばれないようにと釘を刺す。
デート当日、待ち合わせ場所にはなぜか要の姿が。困惑するホタルとマコトに、要は「3人で遊園地に行こう」と提案。ホタルが大人の女性の余裕を見せるため、しぶしぶ同意すると、要は優華を呼び、ダブルデートをするハメに。必死に「大人の女性」を演じようと、その後もどんどん空回りをしていくホタル。結局初デートはうまくいかず、家まで送るというマコトをさえぎり、ホタルは家に帰り玄関にバタリと倒れる。すると、がっくりと疲れ果てたホタルの携帯に、「明日は二人でドライブに行こう」とマコトからのメールが入る。浮かれながらも、またもや「大人の女性」を意識したメールを送ろうと考えていると、再びマコトから「一人暮らしですよね?」とメールが。ホタルは返信に迷ってしまう。
「セクシー大作戦」と名付けてドライブデートに臨んだホタル。しかし、セクシー目線も会話も不発に終わり、緊張のあまり眠ってしまう。目が覚めたと思ったら、今度はトイレに行きたいホ タル。
「トイレに行かせてください!」と言うホタルに、マコトは車をUターンさせた。そしてまた、家まで送るというマコトを、ホタルはまたもや拒絶し、一人で帰ってしまう。
高野が休日出勤で仕事をしているところにマコトが戻ってくる。ホタルとマコトのドライブデートのことを知っている高野は、マコトの姿を見て気がかりになる。悩みを抱えた様子のマコトと高野は、その夜二人でバーに行くことに……。「ホタルが男と住んでいるのでは」と疑うマコトに、「気のせいだろ」と答える高野。そのままホタルとの関係を相談され、2人思わず飲み過ぎてしまう。
そんなこととはつゆ知らず、ホタルが家でマコトからの連絡を待っていると、高野から「今、表にいる」と着信が。酔ったマコトを、酔った高野がタクシーで家に連れ帰ってしまったのだ! 玄関ではマコトが、庭では高野が熟睡しているという状況にホタルはあわてる。ホタルはマコトを片付いた高野の部屋に運び、高野を自分の部屋に運ぼうとするが、高野は目を覚ます。高野はホタルに「マコトとの恋は、初めての大切な、大切な恋」だと聞かされる。その後、マコトの横で寝てしまっているホタルの姿を見た高野は、ほほえましい気持ちになり外に出て行く。
翌朝、マコトとホタルは縁側で穏やかなひとときを過ごす。別れ際、ホタルとマコトは互いの素直な気持ちを伝え合う。するとマコトは「今からもう一回、遊園地に行こう!」とホタルを連れ出す。遊園地で、はしゃぎながらとても楽しそうなホタル。マコトはホタルに夕べ高野に「ホタルとの関係を応援する」と言われたことを話す。二人は自然に名を呼び合って手を繋ぎ、キスをした。
その頃、高野は、妻宛ての離婚届をポストに投函していた。そして、留守に高野を訪ねて来た二ツ木。そこへ高野とホタルの帰宅が重なる。二人が仲良く話をしながら一緒に家に入っていく様子を、二ツ木に見られてしまった……!
ホタルノヒカリ 第7話
マコトとの恋愛が絶好調なホタル。だが高野から“干物っぷり”はむしろ増していると指摘される。恋愛が上手くいけば、干物女から卒業できるはずだったのに、いったい何故?
翌朝、マコトが来週1週間出張だと知らされたホタルは、同僚の「家に彼女を呼ばない男は、本気度が低い」という話に影響され、マコトをそれとなく誘い、仕事帰りにマコトの家に行くことになった。歯ブラシと替えの下着も買い、準備万端でお泊まりデートに挑んだホタルだが、直前で自分のおなかの肉が気になり、風邪と嘘をつき逃げ帰ってしまった。
高野が一人、居間でくつろいでいると、落ち込んだホタルが帰ってくる。帰ってきた原因が「おなかの肉」だと聞いた高野は、ホタルに“干物な生活”が原因だと指摘する。干物生活からの脱却には、まず掃除からと、高野に掃除を命じられるホタル。翌朝、ホタルが体重計に乗るとなぜか体脂肪が減っている。「大掃除でお部屋も私もスッキリ!」と浮かれるホタル。
マコトの出張出発の日、ホタルはマコトと、出張から帰ってきた翌日にお泊まりデートの約束をする。お泊まりデートまでのダイエット計画を立てて張り切り、仕事も頑張るホタル。自分は関わっていない案件へのクレームの対応を高野に任され、とまどいながらも元気に出て行くホタルを、山田姐さんに失恋の痛手を癒してもらった優華は好意的な目で見ていた。
ダイエット計画を立てたものの、相変わらず干物的生活を続けるホタル。しかし、なぜか体重計の体脂肪は減っていく。喜ぶホタルの横で、体重計が壊れているのではと疑う高野。そこに妻・深雪から「近いうちに逢いにいっていい?」と電話が。
翌日会社で、妻からの電話のことを二ツ木に相談する高野。ホタルと同居していることを二ツ木に知られてしまっていた高野は、二ツ木に改めて「離婚はホタルが原因なのか」と聞かれる。「ホタルは離婚とは関係ない」と高野が言うも、「ホタルのためにも同居を解消したほうがいい」と言われてしまう。
優華にランチに誘われ、「負けました、幸せになってね?」と言われたホタルは、ようやくダイエットに精を出す。張り切ってジョギングに行くホタルを見送った高野だが、突然の雨に心配になり、ホタルを探して雨の中を歩き回る。それが原因で、高野は風邪を引いてしまう。
会社を早退して寝込んでいる高野をホタルはホタルなりに一生懸命看病するが、「一緒に暮らしてはいるが、ただの上司と部下」と高野に言われてしまう。
翌日、マコトとのお泊まりデートの本番。出かける前に、この1週間のダイエットの成果を確認しようと、ホタルが体重計にのると、体脂肪は100%! 混乱するホタルに「この体重計、壊れてるんだ」と突っ込む高野。がっかりしながらもマコトの家に行くホタルを見送っていたところに、高野の妻・深雪が訪ねてきた。とりあえず出かけたホタルだが、二人の様子が気になり、こっそり家にもどる。
ホタルをかばうようなことばかり深雪に話し、「幸せにな」と深雪を送り出した高野。深雪を見送り、出かけたはずのホタルを見つけて驚く。たまらずホタルは、なぜ本当の気持ちを伝えないのかと高野を責める。高野の「好きというだけじゃ乗り越えられないこともある」という言葉に納得できず、なおも詰め寄るホタルに高野は「ただの同居人に話してどうなる」と切り捨てる。「ただの同居人なら、なぜ私のことをそんなにわかってくれてるのか」と食い下がるホタルに、「本当に分かってもらいたい人が他にいるだろう」と高野はホタルをマコトのもとに送り出した。
マコトのアパートに向かいながら、マコトとメールをやりとりするホタル。先程の高野とのやりとりを思いながら、素直な気持ちをマコトに伝え、マコトもホタルに気持ちを伝えた。マコトは部屋の前でホタルを迎え、「二人ならきっと何でも乗り越えられると思う」と伝える。うれしそうなホタル。しかし、マコトに抱きしめられながらも、おなかの肉を気にするホタルなのであった。
ホタルノヒカリ 第8話
ホタルは縁側に寝転びながらマコトと電話中。相変わらずの“干物っぷり”だが、会話はラブラブで、週末の花火大会に行くことを約束する。電話を切った後、会話と干物的な行動のギャップに呆れる高野に、ホタルは「そろそろマコトくんに、こんな私の姿を見せようと思うんですが、受け入れてもらえるでしょうか?」と相談する。
高野は翌日、マコト達に「干物女」について探りを入れる。マコトはジャージ姿に抵抗はない様子だとホタルに伝えると、ホタルは「マコトくんも家ではジャージかも!」と喜ぶ。しかし「キミは“干物男”でも恋に落ちるのか?」と、高野はホタルのジャージを借り、干物男を熱演する。さっきまでは「別に気にしない」と言っていたホタルだが、あまりのことに「絶対イヤです!!」と取り乱して逃げてしまう。逃げたことをあやまるホタルに、高野は「キミの恋を応援しているから、口を出すんだ」と、なんでも自分の都合の良いように解釈するホタルをたしなめるが、ホタルは「きっとマコトくんは、こんな私を受け入れてくれる!」と考えるのだった。
翌日、高野との会話で不安になったホタルは「彼の前でのジャージ姿」についての意見を女子社員たちに求めるが、厳しい言葉が続出。そこへマコトが現れ、優華を呼び出し、『ファニチャーアワード』への出品を相談。マコトは、ホタルを驚かせたい一心で優華に相談を持ちかけたのだ。二人の様子が気になるホタル。そんなホタルに“くじびき”の順番が回ってくる。毎年恒例の高野宛のお中元争奪くじびきだ。今回の賞品は「ヘリコプターで花火見物」。高野の画策でホタルが当たりを引くも、マコトと優華が気になり上の空のホタル。家に帰って高野に説明を受け、やっと賞品のすごさに気づくホタル。早速、マコトに電話をするのだった。
花火大会当日、待ち合わせ場所にマコトは現れない。『ファニチャーアワード』用のデザインに没頭するあまり、約束の時間を忘れていたのだった。あやまるマコトに、「私と仕事、どっちが大事なの?」と考えてしまうホタル。そこにマコトがやっと現れ、二人は花火デートを満喫する。花火のあと、帰ろうとするホタルに、マコトは一緒に暮らすことを提案。喜びながらも、マコトが自分の干物姿を受け入れてくれるのか不安なホタル。
その頃、高野は会社の窓越しに花火を見ていた。そこに現れた二ツ木に、高野はホタルとの同居を解消するつもりだと告げる。「それでいいのか」と問う二ツ木に、ホタルと一緒にいると楽しかった、と打ち明けるが、「それだけだ」とかわす。
翌日、相変わらず、マコトと優華が二人で何かを話している。仕事でもミスをするほど、ホタルは二人が気になって仕方がない。憂鬱な気分で家に帰り、ビールを飲みながらマコトに「逢いたい」とメールをするが、仕事を理由に断わられてしまう。思わず優華にまで電話をしてしまい、自己嫌悪に陥るホタル。そんなホタルに高野は「ジャージ姿を見られることが怖いんじゃなくて、相手と深く向き合うことが怖いんだろ」と指摘する。そこに、マコトからホタルに電話が。『ファニチャーアワード』に出品する作品が完成し、嬉しくてホタルに伝えたかったという。誤解が解け、素直になる二人。ホタルはマコトにお互いありのままの姿を受け止め合いたいと伝え、思い切って自分の“干物っぷり”を告白する。だが、マコトに「少し考える時間が欲しい」と言われてしまう。
数日経って、マコトに呼び出されたホタル。「頑張ったんだけど、ダメで……」と、謝るマコト。すっかり振られた、と思うホタルを、マコトはガランとした空き部屋へ連れて行く。実は、マコトはホタルと二人で暮らす部屋を探していたのだった。「縁側のある家を探したけど、見つからなくてダメだったんだ」と言うマコトに、ホタルは感激する。
次の日、ジャージ姿のまま近所に出たホタルは、うっかり家の鍵を失くしてしまい、会社にいる高野のもとへ向かう。ジャージ姿で来たホタルに、「マコトも会社にいるんだぞ」と焦る高野。二人はなんとか誰にも見つからずに会社を脱出。通りで、ホタルと高野が言い合っていると、そこにマコトの姿が! 「受け入れてくれたのだから大丈夫」と、笑顔を見せるが、マコトはホタルに背を向け、立ち去ってしまった……。
ホタルノヒカリ 第9話
マコトに拒否されたと、落ち込んでいたホタルだが、高野に「まだ終わったわけじゃない」と励まされ、翌日何事もなかったようにマコトに話しかける。しかし、マコトはホタルを完全無視。その後仕事を終え、高野が家に帰ると、ホタルはジャージでなく部屋着で掃除をしている。自分をそのまま受け入れてくれると思っていた自分が間違っていたと、家の中でも無理のない程度に頑張るというホタル。
翌日も、ホタルは明るくマコトに話しかける。が、やはりマコトはホタルを無視。そんな時、マコトの作品がファニチャーアワードへの出品が決まり、急遽マコトは香港に行くことに。ホタルの「おめでとうございます」という言葉も無視するマコト。そんなホタルとマコトの様子に、偶然ホタルのジャージ姿を見ていた同僚は、ジャージ姿のせいでホタルはマコトに嫌われたのではないかと噂する。
あいかわらず、家でジャージではなく部屋着で過ごすホタル。マコトからの返事を待ちきれず、香港にいるマコトに、立て続けにメールを送ってしまうほど上の空。会社でも、ぼんやりとしたままのホタルだが、突然、手帳と財布だけを持って出かけていった。それから夜になっても、ホタルは帰ってこない。不審に思う高野。家に帰っているのではないかと、家に帰ってみても、やはりホタルはいない。とうとうその日、ホタルは家に帰ってこなかった。翌日も、ホタルはいない。心配で仕事が手につかない高野。高野はホタルからなにも連絡がないことを、山田姐さんをはじめ社員に話し、全員でホタルをさがすことに……。
その頃、ホタルは倉庫に閉じこめられていた。工事の差し入れをしに行った倉庫に、気づかないうちに閉じこめられてしまったのだった。心細くなり、マコトのことを考えるホタル。その時、扉が開き、そこには高野と二ツ木、山田姐さんが……。高野は思わず倉庫に駆け込み、ホタルを強く抱きしめた。帰ろうとするホタルに、山田姐さんがひと言、「ホタルは私が送ってくわ。部長のお宅にお邪魔していいかしら?」。山田姐さんはホタルと高野の同居を知っていたのだった。
居間で、ホタルは山田姐さんから、高野はホタルのことが好きだと告げられ、混乱する。山田姐さんが帰った後、高野が帰ってきた。高野はいつも通りの態度。ホタルは「あれが好きな女に対する態度か!?」と一人憤慨するが、マコトを思い出して切なくなり、マコトにメールをする。やはり、マコトから返信はない。その頃、帰国したマコトは、会社で要と話していた。メールを確認したにもかかわらず、無視をするマコトに、要が理由をたずねると、マコトは、ジャージ姿が問題だったのではなく、部長と楽しそうにしていたことに腹が立っていたと告白した。事情を聞いた要は、そのままマコトとともにホタルの家に向かう。
玄関先でホタルと高野が話しているところに、突然マコトが現れる。嘘をつかれていたと怒り、帰ろうとするマコトを高野が引き留め、ホタルをかばうようにマコトに事情を説明する。納得のいかないマコトは高野にくってかかるが、高野は冷静に「雨宮は君の女だ」と言い、席を外す。二人になったホタルとマコト。ホタルは嘘をついていたことをあやまり、マコトに告白をしたのも高野に励まされたからだと説明する。しかし、マコトはホタルの隣にはいつも高野がいたことにさらにショックを受け、出て行ってしまう。
ホタルはマコトを必死に追いかける。マコトに、信じてほしいとお願いするホタル。マコトはホタルのそんな一生懸命な姿に「あの家をすぐにでも出て、俺の所に来て欲しい。一緒に暮らそう」と言う。ホタルは涙を流してうなずいた。
翌日、やはり荷物をまとめられないホタルは高野に荷造りを手伝ってもらうことに。さみしがるホタルに、高野は区画整理のために家が取り壊され、自分も出て行くことを告げた。「新しい暮らしを大切にしろよ」と高野に言われ、笑顔で出て行くホタル。ホタルは泣きながら歩き、高野と一緒に過ごした日々を思い返す。涙をふき、笑顔を見せながらマコトの車に乗り込むのだった。
ホタルノヒカリ 第10話[最終話]
ついにマコトと一緒に暮らし始めたホタルだが、なぜかしっくりいかない。ホタルは初めての好きな人との暮らしに張り切るが、なぜか空回り。ホタルを気遣って、「無理をしなくていい、幸せにするよ」というマコトの言葉を、なぜかすんなりと受け入れられない。
そんな折、ホタルは以前優華とともに企画をした、シネマライブラリーカフェのプレス内覧会のチーフに抜擢される。もらったチャンスに、仕事に打ち込むホタル。残業の後、帰ろうとエレベーターに飛び乗ると、そこには高野が。財布を忘れていたホタルは、そのまま高野についていき、コンビニでちゃっかり自分の分も買ってもらう。帰宅後、マコトにそのことを話すと、ホタルが高野と一緒に暮らしていたことが、まだ振り切れていないマコトと、気持ちがすれ違ってしまう。
相変わらずマコトとの暮らしがしっくりいかない一方で、仕事に打ち込むホタル。内覧会パンフレットの作業で、遅い時間まで仕事に打ち込むが、なかなか高野からOKが出ない。ついにホタルを置いて帰宅した高野だが、ホタルが心配になり、会社に戻りホタルとパンフレットの作業を完成させる。翌朝、ホタルはマコトに、高野のことを言えず、「優華が来てくれた」と嘘をついてしまう。しかし、翌日、要と優華の会話から、マコトはホタルが嘘をついていたことに気づいてしまう。帰宅すると、ホタルはマコトに、高野のことを優華だと嘘をついたことを責められる。マコトがあまりに高野を気にしていることから、ホタルは携帯から高野のデータを消した。
二人の生活がうまくいっていないことは、ホタルと同様、もちろんマコトも感じていた。ホタルが自分の前ではありのままの姿でいられない……。自分らしく生きているホタルに恋をしたマコトにはそれがとても辛いことだった。翌朝、ホタルが身支度をしてユニットバスから出てくると、マコトはおらず、その時携帯に「もう終わりにしよう」とメールが届く。出勤後、ホタルとマコトは会社の屋上で話す。「楽しくやっていけるように、頑張る」というホタルに、マコトは「部長とはガンバらなくても楽しかったんじゃないの?」と言い、ホタルを置いて去っていく。呆然と立ちすくむホタル。その夜、仕事を終えホタルが会社を出ると、そこには高野の姿が。元気がないホタルの姿をみて、ホタルの仕事ぶりが好評だったと励まそうとしたのだ。高野の優しさに、感極まるホタル。高野と別れたあと、マコトの言葉を思い出しながら、走って帰るホタル。家に帰ると、マコトはいない。今までのマコトとの幸せな日々を思い出し、涙がとまらない。「大好きだったよ」と書き置きし、ホタルは荷物をまとめ、家を出た。
シネマライブラリーカフェのプレス内覧会は、無事成功! 打ち上げ会場で、優華は要のことを、自分のことを一番わかってくれる人だ、と山田姐さんとホタルに打ち明ける。その席でホタルは、高野と暮らした家が区画整理で取り壊しになるというのが高野の嘘だったことを知る。打ち上げ後、ホタルが会社に帰ると偶然マコトと出会う。「今の私は一人で生きていくことが必要だと思う」とマコトに話し、最後に「あなたに恋をして、私は変われた。ありがとう」とマコトに告げた。ホタルは高野の家に戻らなかった。
季節がめぐり、また夏がやってきた。ホタルはいつものように仕事をこなすが、その様子に何か感じる高野。その日、高野が帰宅すると、玄関にはホタルの靴。あいかわらずジャージにチョンマゲスタイルで、ホタルは縁側に座っていた。「部長に逢いたかった、どうしてかなァ」というホタルに、高野はホタルの気持ちを受け止め、自分もホタルが好きと告白する。告白したにもかかわらず、高野のいつもと変わらぬ様子に、拒絶されたのかと思うホタルは、どうしていいか分からない。しかし、高野はホタルに缶ビールを差し出し、ホタルがいつも座っていた場所にホタルを座らせ、「そこが……君の居場所だ」と……。受け入れてもらえないのではないかと思っていたホタルの瞳から涙がみるみる溢れ、「やっぱ、ぶちょおが一番!」と最後の告白をした。